令和7年7月30日(水)に、山形県産業創造支援センター多目的ホールにて、令和7年度やまがた避難者協働ネットワーク意見交換会及び「第111回支援者のつどい」を合同開催しました。話題となった概要を広く皆様にお伝えします。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
共催:山形県被災者・避難者支援室/復興ボランティア支援センターやまがた
<参加者>順不同
中間支援団体 2団体
子育て支援団体 1団体
心のケア支援団体 2団体
南陽市社会福祉協議会
山形市社会福祉協議会
山形県社会福祉協議会
山形市避難者交流支援センター
避難者支援センターおいで
一般社団法人ふくしま連携復興センター
米沢市防災危機管理課
山形県地域福祉推進課
福島県避難者支援室
<プログラム>
13:00 開会
13:05 【第1部】意見交換会
(1)グループ討議
テーマ:「つなぎ先について」
14:05 【第2部】第111回支援者のつどい
講演 「誰でもできるグリーフサポート~喪失体験との向き合い方~」
講師 医療法人社団爽秋会 岡部医院仙台 医師 佐藤 悠子 氏
15:00 【第3部】意見交換会
グループ討議 テーマ:「喪失について」
15:45 全体発表
16:00 閉会
■第1部「意見交換会」
【司会】
第1部の「意見交換会」を開始します。各グループに分かれ意見交換となります。
なお、事前に各グループの「進行役」と「記録・発表役」を指定させていただきました。役割が記載されている方は、ご協力くださいますようお願いします。
≪グループ討議≫
テーマ:「つなぎ先について」
■第2部「第111回支援者のつどい」
テーマ:「誰でもできるグリーフサポート~喪失体験との向き合い方~」
講師:医療法人社団爽秋会 岡部医院仙台 医師 佐藤悠子氏
≪講演≫
・私は、訪問診療をしている医師です。グリーフに注目して活動しているので、今日はそれについて皆さんに基礎的なことをお話ししたい。
・普段は普通の私服で患者さんのお宅に伺い診療している。年間70名から80名の患者さんの在宅緩和ケア、特に現在の医学では完治できないような癌患者さんを多く扱っている。
・身体が元気なうちに生きる事死ぬことについて、自由に話せるような場所作りをしようとライフカフェという名前で対話の場作りをしている。
・死別の経験がプラスになる人もいれば、影響を受けすぎて日常生活に支障がでている人もいる。ネガティブなところもグリーフの一部だが、困っているところをどうにか軽くできるような活動ができないかなということでグリーフサポートの活動をしている。
【今日のテーマ】
◎グリーフとは何か
◎グリーフ経験者が傷つく対応、助かる対応はどんなものか
◎災害時のグリーフケアはどういったことができるのか
◎宮城県におけるグリーフサポート活動を可視化した活動について
・グリーフという言葉を日本語に訳すと悲嘆・悲しい・嘆くという翻訳になり、喪失体験の後に生じる心身のストレス反応のことをグリーフという。
・喪失体験について、なくす対象は様々で、かけがえのない大切なもの。それは人であったり物であったり思い出であったりする。
・大事にしていたものを失ったために心と体に反応が出るのをグリーフ反応と言う。
・グリーフ反応が起きても段々適応していく。グリーフ反応は病気ではなく、誰にでも起こりうる反応である。
・色々なグリーフ反応は起きるが、起きてから折合いをつけて新しい生活に適応していくのがグリーフワークのプロセスになっていく。
・新しい生活に適応しつつ亡くなった個人との絆を保つことができれば、グリーフワークとして落ち着いたという判断になる。
・グリーフワークはどのように進めるかということに関しては特に決まったことはない。
・自分がグリーフを感じる当事者になった時は、寂しいとか辛いという自分の気持ちを自覚して、その気持ちを閉まったり、時々開けてみたりコントロールできるようになることがグリーフワークの目標になっていく。
・グリーフは病気ではないが、グリーフワークが進まない人の中には、専門的な治療介入が必要な状態の人もいる。
・また、精神疾患と診断されてしまう状況もあり、複雑性悲嘆、遷延性悲嘆症とか病名として診断基準が確立されており、保険診療で治療もできるようになった。
・グリーフをきっかけに、適応障害、うつ、PTSD、アルコール依存など精神保健専門家の対応が必要になることもある。
・遺族が傷つく対応、助かる対応がある。
<その一つ「遺族ケアガイドライン」の内容の紹介>
遺族を励ましたつもりでも、傷つけてしまう言葉があり、注意が必要。
「今は言葉がありません」「力になることがあれば、いつでも声をかけて下さい」
という声掛けで助かることもある。
・サポートする側の注意点としては、問題がある人はケアを受ける人、医療者はケアをする人という矢印が出来ている。「ケアをするには専門的な知識が必要だ」など、こちらの価値観を押し付けている場合もある。
・日常的にできるグリーフサポートとしては、悲しんでいる人がいれば、そっと寄り添うのが望ましい姿だと考えている。
・グリーフワークはその人を見守るしかなく、サポートする人もありのままを受け入れ、支援者は自分の考えを押し付けない、というのがグリーフサポートに求められている。
・「あいまいな喪失」ということが日本大震災の後に注目されるようになった。
・「あいまいな喪失」は解決することも決着を見ることも不可能な喪失体験を指す。
・「さよなら」のない別れ、行方不明、コロナの時、亡くなっても葬儀に出られないというのも「あいまいな喪失」体験である。
・医療機関では、患者が亡くなればそれで終わりになるが、悲しむ遺族を見ていて、家族のためにグリーフサポートの場を紹介するためにマップを作った。マップでは15団体を紹介している。
・グリーフサロン「ほっとぱーく」を主宰している。そこではお茶を飲んでおしゃべりするなど、アート活動をしている。
・サロンでは、話をしたい人が話し、アドアイスもしない。悲しみを消すのではなく、共有する会にしている。
・6月にグリーフフェスを開催し、パネル展示をした。ボランティアが40人位、参加者が200人位集まり、グリーフを知らない方にも紹介できた。数年おきに開催したい。
何か講演や活動で気になることがありましたら、連絡くだされば力になりたいと思います。いつでもご連絡して下さい。以上で講演を終わりにします。
【Q&A】
Q:主宰されているグリーフサロンの男女比と年齢層はどんな割合か。
A:インスタグラムとチラシで広報しているせいか、30~40代の若い女性が多い。男性の方がグリーフに沈みこんで外に出てこない人が多いが、そういう人をサロンに繋ぐにはどうしたらよいか、グリーフ関連の活動をしている仲間と話題になっている。
Q:男性はPTSDやアルコール依存の方が多いのか。
A:引きこもっている人がどれくらいいるのか、データがないので何とも言えないが、男性に対して何らかのアプローチは必要だと思う。









