■第2部 活動報告、現状や課題の共有
状況報告「能登半島地震~支援現場からのレポート」
報告者 一般社団法人 日本ソーシャルセラピストアカデミー (JAST)
代表理事 大谷 哲範氏
[珠洲市役所前、市役所の中などを、車の中からオンラインにて様子を報告]
<司会>
大谷さんが珠洲市に来て活動に入ってからのこれまでの経緯、瓦版を作ったきっかけを話してください。
<大谷>
珠洲市に入ったきっかけは、山形の支援者仲間が珠洲市の社協をサポートするため珠洲に入っていて、正月に帰省し被災した知合いもいたので私も迷わず来た。1月5日辺りから富山県小矢部市で物資の手配や宿泊もできる拠点作りを行った。食料と衛生用品・毛布等を運びながら、物資も落ち着いてきたので、段々物から人を支援する活動に入った。こちらの避難所には行政の人が余りいなくて、住民自治に任されている。大きい避難所には応援の役人がいるが、小さい避難所には誰もいなく、情報が伝わらないことも多かった。これからどうしていけば良いのか、被災者と支援者の両方からの発信として瓦版を作った。資料として1から4まで準備した。
vol 1 応急仮設住宅(プレハブ仮設)入居の方へ → 仮設住宅に入る人のため
vol 2 みなし仮設住宅(賃貸型応急住宅)入居の方へ
vol 3 在宅被災者(在宅避難者・自主避難者)の方へ
vol 4 災害ケースマネジメントの考え方
災害ケースマネジメント構想会議が瓦版を監修している。東日本大震災の学びを伝えるために分かり易く瓦版にした。vol 6まで出来ている。
構想会議のメンバーが能登の現場に来て仕組み作りに取り組んでいる
東日本大震災の時は応急処理制度を使い、70万円の支給を受けると仮設住宅に入れず、それが在宅被災者が増えた原因となったが、今回は一定期間、仮設にも入れるようになった。だが現場が混乱していて県や市の担当者も理解していない人も多く間違った情報も流れているので、正しい情報を伝えるようにしている。被災者を支援する人も集まるようになったので、その人たちにも広めていきたい。
Q:いろいろ聞いてみると復興は東日本大震災より大変そうな気がするが、大谷さんが現地を回ってみて、復興にどれくらいかかると思いますか。また現地にボランティアの人が入りにくいというのは本当か。
A:東日本大震災の時は津波で全てがなくなっているため2ヶ月位したら大部片付けられていたが、能登では道路に家が飛び出ていても私有物だから手を付けられず、住民もどこにいるかわからない人が多く、もちろん行政の青写真はあると思うが、復興には時間がかかると思う。
ボランティアは少しずつ入ってくるようになったが、七尾市の場合は、歩いて行ける所を片付けている状況で社協のボランティアはいない。社協は何もしてくれないという住民感情が出てきているが、社協も被災しており、わだかまりが残り復興が益々遅れないように情報を発信していきたい。
<司会> そろそろ時間になりました。大谷さん、また現地入りするようなことがあれば、その後の報告をお願いします。
<活動報告>
・山形市避難者交流支援センターおよび避難者支援センターおいでにて避難者相談会を定期開催している。
・特に3月~4月はお子様の進学等で帰還を考える方などの相談もあった。
・昨年度実施した全戸訪問における避難者からの相談等に随時対応している。
・その他、追加賠償や帰還、定年退職による就職相談等にも対応している。
・能登半島地震の際には酒田市に津波警報が発令された。避難世帯の中にはすぐに高台に避難された方もいた。当時を思い出し不安になった話を聞いた。特に高齢者の方を中心にフォローしていく。
・2月19日に避難者数の公表を実施した。(2月1日時点)避難者数は1,214人。前回の11月1日時点より21名の減少。次回は未定。復興庁からの依頼を待っている。
・2月27日に3.11復興祈念事業(山形会場)の第2回実行委員会を開催した。追悼セレモニーを文翔館の議場ホールにて、キャンドル点灯は前広場にて行う。
・山形県立図書館および県庁1階ロビーにて関連展示を行う。内容は防災用品やメッセージボード等を展示する。皆様に案内してほしい。
・県では、3月11日を「県民防災デー(防災点検の日)」と定めた。東日本大震災の教訓を踏まえ、今後の災害に対する備えを確認し、県民の皆様に防災について理解して頂くことなどを目的として定めた。チラシやチェックシートを共有するので周知にご協力いただきたい。
・1月に全戸訪問を実施した。不在世帯に対しては1月~2月に聞き取りを行った。
・2月10日にタッセルづくり交流会を行った。東京医療ネットワーク支援センターに協力いただき、東京と山形をオンラインで結び交流を図った。講師はkamikobuchiの笹渕さんが務め、鶴岡からオンラインにて作り方を学びタッセル作りを楽しんだ。
・タッセルの原料となるシナモンは温海地域で採れるものをビデオで紹介するなど、温海や庄内について興味を持っていただける良い機会となった。
・昨年までは医療ネットワークさんが企画した交流会にアミル側が参加する形だったが、今回はアミルが主催したものに参加して頂いた。
・今年度の交流会はすべて終了できたが、来年度も皆さんが楽しんで頂けるようなものを企画したい。
・今年度の県社協の事業は、主な2つとして、避難者支援調整会議の開催および現地視察研修会の実施を担っている。
・調整会議は1回目は6/26、2回目は9/20、3回目は1/29に開催した。4回目は3/22に開催を予定している。
・生活支援相談員を対象とした現地視察研修会は2/27に実施した。山形市、米沢市、南陽市の各社協から参加し、郡山市社協を訪問し、視察と意見交換会を行った。
・視察先は郡山市内の2箇所の復興公営住宅を訪れ、住民の居場所作りとして活用されている交流サークルに参加し、住民の方々と交流を行った。
・意見交換会では福島県社協も同席し、郡山市社協より取組み等について説明を受けた。
・2月は定例の交流会を開催した。
・戸別訪問は、高齢者を中心に週1~2回訪問している。
・長井市からも発表があったが、共通の避難者について情報を共有している。
・県社協主催の現地視察会で、復興公営住宅は2箇所訪れ、1箇所目の交流会は20名程参加者がいた。
・交流会ではトランプ、花札、健康マージャン、塗り絵などがあり、各々が好きなものをするというスタイルだった。花札に参加してみたが、懐かしさと楽しさがあった。
・2箇所目は6名程が参加。トランプで七並べなどをし、和気藹々と交流をしていた。
・2箇所とも、誰が来ても歓迎するという雰囲気で、笑顔で迎えていただいた。「郡山社協さんには感謝している」という参加者からの声が心に残った。
・能登半島地震について、南陽市では市営住宅を最大1年間無料で入居できるという施策を発表した。現在5軒が入居している。
・2月に全戸訪問で連絡が取れなかった5世帯を訪問し、資料のみをお届けした。全戸訪問はこれにて全て終了した。
・2/13に花はな会を開催し、非常食の試食会を行った。メニューは牛丼とビーフシチューなど。避難当時の話などを聞くことができた。
・帰還を考えている避難者に情報提供を行った。
・避難者交流会は開催していないので、社協全体で企画している交流会に招待したところ2名の参加があった。
・福島から宮城に避難している方向けのサロンは継続して開催している。
・今年度は県外へのお出かけ支援を重点的に行った。行き先は山形(大石田、鶴岡など)に2回、2/20に千葉を訪れた。千葉では現地の避難者と交流会を開催した。合わせて40名程が集まった。
・3月にサロンを今後どうするかについて、避難者と相談する。事務局からは交流会は終了する旨を提案させていただく予定。
・サロンを始めてから7年経つが、終了の理由として、新たなつながりは増えなくなったこと、サロンとしての継続は難しいこと、避難者どうしの連絡が個々にできていること、生活の基盤がある程度固まってきたこと、などが挙げられる。
・補助金がなくなり予算的な理由もあるが、当事者のこの7~8年での変化というものが一番大きい。
・中間支援機能に関する研究会を1年間かけて計5回開催し、話し合いや考察等をまとめた書籍が3月に発刊された。興味ある方は通販等でご購入いただきたい。
・能登半島地震に関して、臨時災害放送局(災害FM)が全く立ち上がっていないのが気になっている。東日本大震災の際は、各地で立ち上がった。
・大谷さんから、役所からの情報が避難者に行き届いていないという報告があったが、災害FMがあれば、そのような課題も軽減できるツールとなるのではないか。
・七尾市にコミュニティFMがあるが、災害情報に特化せず、通常の放送しかしていないようだ。
・1月13日・14日に山形市でドキュメンタリー映画の上映会があった。その中で取り上げられた陸前高田市の団体を2月に訪問した。
・その団体では震災時に使用された仮設住宅の体験などの事業を行っている。陸前高田市は東日本大震災の際、最初に仮設住宅が設置した。体験館は元中学校の校庭に設置されており、宿泊もできる。
・陸前高田市には5年ぶりに訪れたが、かさ上げ工事も済み、きれいに整備されていた。住宅はポツポツと建っているが、空き地が目立ち現地でも問題になっていると聞いた。
・伝承館は無料で入れるが情報量が多く、時間の余裕を持って行った方がよい。
・石巻市のカリタスベースで先週、昭和歌謡ショーを開催した。カリタスベースはキリスト教系の施設で、女性が3人で切り盛りしている。フランス、コロンビア、フィリピン出身で国際色豊かなスタッフが中心となり、現地の方々のサロンを開いている。
・当日は、バザーなども開かれ30人程が来ていただいた。
・その他、1月に郡山市の東原団地で昭和歌謡ショーを開催した。
<司会>
・支援者のつどいは、今年度はこれで終了となる。来年度も4回の開催を予定している。
・次回のつどいは4月開催を希望している。実施時期を含め、詳細は後日お知らせする。
・今年度の状況を見ると、オンラインを併用した方が遠方の方々が参加しやすいとのお声を頂いている。それを踏まえ来年度はオンライン併用で企画したい。
・情報誌「うぇるかむ」に関して、今年度もご協力に感謝します。来年度も引き続きよろしくお願いします。
本日はご参加いただきありがとうございました。









